事務職(総務)の転職市場における最新トレンド
総務職の需要と給与水準の推移(2023-2024年)
総務事務職の転職市場は、企業のニーズや社会情勢の変化によって常に変動しています。近年の主要なトレンドとして、以下のような変化が見られます。
デジタル化による業務変革
従来の紙ベースの管理からデジタルツールを活用した業務へと移行が進んでいます。クラウドベースの文書管理システムやワークフロー自動化ツールの導入により、総務の役割も変化しています。単純な事務作業よりも、システム管理やデータ分析能力が求められるようになってきました。
コンプライアンス重視の傾向
企業のコンプライアンス意識の高まりにより、法務知識を持つ総務担当者の需要が増加しています。特に労働法規や個人情報保護法に関する知識は、総務職において重要視される傾向にあります。
リモートワーク対応
コロナ禍以降、リモートワークやハイブリッドワークの定着により、オフィス管理や社内コミュニケーション方法が変化しました。これに伴い、総務職にはデジタルツールを活用したコミュニケーション促進や、分散型オフィス環境の管理能力が求められています。
戦略的パートナーとしての役割拡大
総務部門は単なる事務処理部門から、経営戦略を支える重要なパートナーへと役割が拡大しています。コスト削減や業務効率化の提案ができる戦略的思考を持った人材の需要が高まっています。
未経験から総務職へ転職する際の課題と解決策
総務職は幅広い業務を担当するため、未経験からの転職にはいくつかの障壁が存在します。しかし、適切な準備と戦略によって、これらの課題を乗り越えることは十分に可能です。

主な課題
未経験者が直面する障壁
- 募集人数の少なさ(総務部門は少人数で運営される傾向)
- 即戦力を求める企業が多い
- 業務範囲の広さによる専門知識の不足
- 企業文化への理解が求められる
- 競争率の高さ(安定した職種として人気)
効果的な解決策
- 関連資格の取得(簿記、マイナンバー実務検定など)
- Excel等のオフィスツールのスキルアップ
- 未経験可の求人に絞った応募戦略
- 転職エージェントの活用による非公開求人へのアクセス
- 前職での関連経験のアピール方法の工夫
未経験者向けの効果的なアプローチ
未経験から総務職を目指す場合、まずはアルバイト・パートや派遣社員として経験を積むことも有効な戦略です。これらの雇用形態では「未経験可」として募集されていることが多く、実務経験を積みながら正社員への道を模索できます。
また、自分の前職での経験を総務業務に関連付けてアピールすることも重要です。例えば、販売職での顧客対応経験は来客対応や電話応対のスキルとして、在庫管理の経験は備品管理のスキルとして捉え直すことができます。
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求人ニーズが高い業界・企業タイプの分析
総務職の需要は業界や企業規模によって大きく異なります。効率的な転職活動のためには、自分のスキルや希望に合った業界・企業を見極めることが重要です。

業界別の総務職求人数と平均年収比較(2024年データ)
業界別の総務職需要
業界 | 求人傾向 | 求められるスキル・特徴 | 平均年収目安 |
製造業 | 安定した需要 | 安全管理、工場関連法規の知識 | 350〜450万円 |
IT・通信 | 高い需要 | ITリテラシー、英語力(グローバル企業) | 400〜550万円 |
金融・保険 | 安定した需要 | コンプライアンス知識、守秘義務の徹底 | 450〜600万円 |
医療・福祉 | 増加傾向 | 医療関連法規の知識、患者対応スキル | 330〜450万円 |
小売・流通 | やや減少傾向 | 店舗管理経験、シフト管理能力 | 320〜420万円 |
企業規模別の特徴
大企業
特徴: 業務が専門化されており、総務の役割が明確
メリット: 安定性、福利厚生の充実、キャリアパスの明確さ
デメリット: 業務範囲が限定的、変化が遅い
中小企業
特徴: 総務が人事や経理など複数の機能を担当
メリット: 幅広い経験を積める、裁量権が大きい
デメリット: 業務量が多い、専門性を高めにくい
ベンチャー・スタートアップ
特徴: 管理部門全体を少人数で運営
メリット: 成長機会、幅広い経験、裁量権の大きさ
デメリット: 業務負担が大きい、体制が整っていない
上場・非上場企業の違い
上場企業と非上場企業では総務の業務内容に大きな違いがあります。上場企業では株主総会の企画・運営や有価証券報告書などの開示業務が重要な仕事となります。一方、非上場企業では株主関連業務は比較的少なく、その分他の業務範囲が広がる傾向にあります。キャリアプランに応じて、どちらの環境が自分に合っているかを見極めることが重要です。
転職成功に必要なスキルセット
総務職への転職を成功させるためには、業務に必要なスキルを身につけ、それを効果的にアピールすることが重要です。企業が総務職に求める主なスキルを見ていきましょう。

基本的なビジネススキル
コミュニケーション能力
総務は社内外の様々な人と接する機会が多いため、円滑なコミュニケーション能力が不可欠です。特に社内のパイプ役として、各部署との調整や情報共有を行う役割を担います。
ビジネスマナー
来客対応や電話応対など、会社の顔として適切なビジネスマナーが求められます。特に取引先や役員との対応では、高いレベルのマナーが必要です。
問題解決能力
日々発生する様々な問題やトラブルに対して、迅速かつ適切に対応する能力が求められます。予期せぬ事態にも柔軟に対応できる応用力が重要です。
マルチタスク能力
複数の業務を同時に進行させる能力は、総務職では特に重要です。優先順位をつけて効率的に業務を進める能力が評価されます。
専門的なスキル・知識
- Excelスキル:データ集計や分析、予算管理などに必須のスキルです。VLOOKUP関数やピボットテーブルなどの活用能力があると高く評価されます。
- 文書作成能力:社内文書や議事録、マニュアルなどの作成能力は総務の基本スキルです。わかりやすく正確な文書を作成できることが重要です。
- 法務知識:契約書の確認や社内規定の作成など、基本的な法務知識があると有利です。特に労働法や個人情報保護法の知識は重要視されています。
- 経理知識:予算管理や経費精算など、基本的な経理知識も求められます。簿記の知識があると業務の幅が広がります。
- 情報セキュリティ知識:社内の重要情報を扱うため、情報セキュリティに関する基本的な知識が必要です。
有利になる資格
資格名 | 難易度 | 取得メリット |
日商簿記(2級以上) | ★★★☆☆ | 経理業務や予算管理に関する知識を証明できる |
社会保険労務士 | ★★★★★ | 人事労務管理の専門性を証明できる |
マイナンバー実務検定 | ★★☆☆☆ | 個人情報管理の知識を証明できる |
ビジネス・キャリア検定(総務分野) | ★★★☆☆ | 総務の専門知識を体系的に証明できる |
メンタルヘルス・マネジメント検定 | ★★☆☆☆ | 職場環境改善に関する知識を証明できる |
人事総務検定 | ★★★☆☆ | 人事総務の実務能力を証明できる |
年齢別・キャリア別の転職戦略の違い
総務職への転職は、年齢やキャリアステージによって最適な戦略が異なります。自分の状況に合った転職アプローチを選ぶことが成功への近道です。

20代の転職戦略
強み: 柔軟性、学習意欲、IT適応力
課題: 経験不足、専門知識の欠如
戦略ポイント: 成長機会を重視し、幅広い業務経験を積める環境を選ぶ
20代は未経験からの転職でも比較的受け入れられやすい年代です。この時期はスキルアップと経験の蓄積を重視し、将来のキャリアパスを見据えた選択をすることが重要です。特に中小企業やベンチャー企業では、幅広い業務を経験できる機会が多いため、総合的なスキルを身につけるのに適しています。
30代の転職戦略
強み: 一定の実務経験、専門性の深まり
課題: 即戦力としての期待の高さ
戦略ポイント: 専門性を活かせる領域を見極め、キャリアアップを意識した転職を
30代は転職市場でも需要が高い年代ですが、即戦力としての期待も高まります。これまでの経験を活かせる専門領域を明確にし、その強みを前面に出した転職活動が効果的です。総務内でも法務、労務、株式事務など、特定分野での専門性をアピールすることで差別化を図りましょう。
40代以上の転職戦略
強み: 豊富な経験、判断力、人脈
課題: 年齢による採用ハードルの上昇
戦略ポイント: マネジメント経験や専門性を活かせるポジションを狙う
40代以上では、単なる実務担当者ではなく、マネジメント経験や高度な専門性をアピールすることが重要です。総務部長や管理部長といった管理職ポジションや、特定領域のスペシャリストとしてのポジションを狙うことで、年齢を強みに変えることができます。また、業界特化型の転職エージェントを活用することで、経験を評価してくれる企業とのマッチング確率が高まります。
キャリアステージ別のアプローチ
キャリアステージ | 最適な転職先 | アピールポイント | 注意点 |
未経験者 | 未経験歓迎の中小企業、派遣・契約社員からのスタート | 学習意欲、基本的なビジネススキル、前職での関連経験 | 業務範囲が広すぎる環境は負担が大きい |
実務経験者(3〜5年) | 専門性を高められる環境、成長企業 | 実務経験、効率化の実績、専門分野の知識 | キャリアパスが不明確な環境を避ける |
マネジメント経験者 | 総務部長・管理部長ポジション、上場企業 | マネジメント実績、問題解決能力、戦略的思考 | 企業文化とのミスマッチに注意 |
専門領域特化型 | 専門性を活かせる業界・企業 | 専門知識、関連資格、業界理解 | 専門性が活かせる環境かを見極める |
転職エージェント活用のメリット/デメリット
総務職への転職を効率的に進めるためには、転職エージェントの活用が有効です。しかし、そのメリットとデメリットを理解した上で、自分に合ったエージェントを選ぶことが重要です。

転職エージェント活用のメリット
- 非公開求人へのアクセス:一般公開されていない優良求人を紹介してもらえる
- 求人企業の内部情報:企業文化や実際の業務内容など、表面的な情報以上のことを知ることができる
- 書類・面接対策のサポート:履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など専門的なアドバイスが受けられる
- 条件交渉の代行:給与や勤務条件などの交渉を代行してもらえる
- 市場価値の把握:自分のスキルや経験がどの程度評価されるかを客観的に知ることができる
転職エージェント活用のデメリット
- 担当者との相性:担当コンサルタントとの相性が合わないと効果的なサポートが受けられない
- プッシュ営業の可能性:成果報酬型のため、希望と合わない求人を勧められることもある
- 情報の偏り:エージェントが取引のある企業の求人しか紹介されない
- 自主性の低下:依存しすぎると自分で情報収集する力が弱まる
- 時間的拘束:面談や連絡対応などで時間を取られることがある
総務職に強い転職エージェントの選び方
総務職への転職を成功させるためには、自分の状況や希望に合った転職エージェントを選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に、最適なエージェントを見つけましょう。
管理部門特化型エージェント
総務・人事・経理などの管理部門に特化したエージェントは、専門的な知識を持ったコンサルタントが多く、業界の動向や求められるスキルについて詳しいアドバイスが受けられます。
おすすめの人:専門性の高い総務職を目指す人、キャリアアップを考えている人
大手総合型エージェント
幅広い業界・職種の求人を扱う大手エージェントは、求人数が多く、様々な選択肢から自分に合った仕事を探すことができます。
おすすめの人:未経験から総務職を目指す人、業界にこだわりがない人
ミドル・シニア向けエージェント
40代以上のミドル・シニア層に特化したエージェントは、年齢を強みに変えるキャリア戦略や、経験を評価してくれる企業とのマッチングに強みがあります。
おすすめの人:40代以上で総務職へのキャリアチェンジを考えている人
複数のエージェントに登録して比較することで、より多くの選択肢から最適な転職先を見つけることができます。ただし、3〜4社程度に絞ることで、効率的に転職活動を進めることができるでしょう。
履歴書・面接でアピールすべきポイント
総務職への転職を成功させるためには、履歴書や面接で自分の強みを効果的にアピールすることが重要です。特に総務職は「成果を数字でアピールしにくい」という特徴があるため、工夫が必要です。

履歴書・職務経歴書作成のポイント
具体的な業務内容の記載
「総務業務全般」といった曖昧な表現ではなく、「社内規程の改定・運用」「株主総会の企画・運営」など、具体的な業務内容を記載しましょう。特に自分が主体的に取り組んだ業務は詳しく記述することが重要です。
数値化できる実績の強調
「経費精算処理時間を30%削減」「社内イベントの参加率を前年比20%向上」など、可能な限り数値で実績を示すことで説得力が増します。
改善・効率化の事例
業務フローの改善や効率化に取り組んだ経験は、問題解決能力や改善意識をアピールできる重要な要素です。具体的な取り組み内容とその成果を記載しましょう。
保有スキル・資格の明記
Excel(VLOOKUPやピボットテーブルなど具体的なスキル)、簿記、社会保険労務士など、業務に関連するスキルや資格は漏れなく記載しましょう。
面接でのアピールポイント
- コミュニケーション能力:総務は社内外の様々な人と接する機会が多いため、面接でのコミュニケーション自体が重要な評価ポイントになります。質問に対して簡潔かつ的確に回答することを心がけましょう。
- 問題解決の具体例:過去に直面した課題とその解決方法について、具体的なエピソードを用意しておくと効果的です。特に予期せぬトラブルにどう対応したかという例は、総務職の適性をアピールできます。
- マルチタスク能力:複数の業務を同時に進行させた経験や、優先順位をつけて効率的に業務を進めた例を挙げることで、総務職に必要な能力をアピールできます。
- チームワーク:他部署との連携や調整の経験は、総務職にとって重要なスキルです。チームでの成功事例や、部署間の調整役を担った経験などをアピールしましょう。
- 自己学習の姿勢:業務に必要な知識やスキルを自主的に学んだ経験は、意欲や向上心をアピールできます。特に法改正への対応など、最新情報をキャッチアップする姿勢は評価されます。
志望動機の例文
【経験者の例】
前職では総務部門で10年間勤務し、社会保険関連の業務全般、社員の健康管理、給与管理、福利厚生業務などを担当してきました。また、2年前から部下をまとめる立場に就き、社内行事の企画運営や備品管理などの業務サポートにも携わり、人材育成を経験しました。自分の可能性を広げるためにも、株主総会の企画・運営などの企業経営に直結する業務に挑戦したいと考えるようになりましたが、前職では企業規模の関係から実現することができませんでした。貴社の募集内容を拝見し、これまで培った経験を活かしながら、さらに専門的な業務にもチャレンジできる環境だと感じ、応募いたしました。
【未経験者の例】
前職では販売職として4年間勤務し、お客様の希望に寄り添った提案を心がけてきました。店舗目標として人的ミスの削減が設定された際、私は各スタッフのタスクに上限を設け、注意力が散漫にならないようシフトを調整するなどの仕組みを提案しました。その結果、前年比で大幅なミス削減を実現しました。その後、本社総務部からの店舗作業負担削減への働きかけもあり、私は店舗代表として総務部と連携し、店舗と総務の業務分担を見直し、全店舗の業務改善に取り組みました。この経験から、より広い視点で組織全体の効率化や環境改善に貢献したいと考え、総務職への転職を希望しています。
コロナ禍前後の需要変化の比較データ
新型コロナウイルスの感染拡大は、総務職の役割や需要にも大きな変化をもたらしました。ここでは、コロナ禍前後での総務職の需要変化を比較データとともに見ていきます。

コロナ禍前後の総務職求人数と求められるスキルの変化(2019-2024)
求人数の変化
コロナ禍初期(2020年前半)には、企業活動の停滞により総務職の求人数は一時的に約30%減少しました。しかし、2021年後半からは徐々に回復し、2023年にはコロナ前の水準を上回る求人数となっています。特に、デジタル化やリモートワーク対応に関連する総務職の需要が増加しています。
求められるスキルの変化
スキル・業務 | コロナ前(〜2019) | コロナ後(2021〜) | 変化の要因 |
オフィス管理 | 物理的なオフィス環境の整備が中心 | リモート・ハイブリッド環境の整備 | 働き方の多様化 |
ITリテラシー | 基本的なPC操作スキル | クラウドツール活用、セキュリティ知識 | デジタル化の加速 |
社内コミュニケーション | 対面中心のコミュニケーション | オンラインツールを活用した情報共有 | リモートワークの普及 |
危機管理 | 自然災害対応が中心 | 感染症対策、BCP策定能力 | リスク意識の高まり |
労務管理 | 出退勤管理、残業管理 | リモートワーク下での労務管理、メンタルケア | 働き方改革の加速 |
業界別の影響
コロナ禍の影響は業界によって大きく異なりました。IT・通信業界や医療・福祉業界では総務職の需要が増加した一方、旅行・観光、飲食業界では大幅に減少しました。また、製造業や小売業では一時的な減少の後、徐々に回復する傾向が見られます。
特に注目すべきは、コロナ禍を経て総務職の戦略的な役割が拡大している点です。単なる事務処理担当ではなく、危機管理やデジタル化推進、働き方改革の中心的役割を担うなど、総務職の重要性は高まっています。
成功事例(異業種からの転身例など)
総務職への転職を成功させた方々の事例を見ることで、自分自身の転職戦略のヒントを得ることができます。ここでは、異なるバックグラウンドから総務職へ転身した方々の成功事例をご紹介します。

営業職から総務マネージャーへ(35歳・男性)
10年間営業職として働いた後、社内異動で総務部に配属されました。当初は不安もありましたが、営業で培った対人スキルや交渉力が総務業務でも大いに役立ちました。特に取引先との契約交渉や社内調整の場面では、営業経験が強みになりました。異動から3年後、総務マネージャーに昇進し、現在は10名のチームを率いています。営業時代の「数字で評価される」環境から、「社員の満足度」という見えにくい価値を追求する仕事に変わりましたが、むしろやりがいを感じています。転職を考えている方には、これまでの経験を総務の文脈で捉え直してみることをお勧めします。
小売店マネージャーから総務へ(28歳・女性)
アパレル店のマネージャーとして5年間勤務した後、ワークライフバランスを重視して総務職へ転職しました。小売業では店舗運営、在庫管理、スタッフ教育などを担当していましたが、これらの経験が総務でも活かせると考えました。転職活動では、「人材育成」「在庫管理」「顧客対応」などの経験を総務の文脈で言い換えて自己PRしました。また、接客業で培った「臨機応変な対応力」をアピールしたところ、面接官から高評価をいただきました。現在は中堅IT企業の総務部で働いていますが、小売業で身につけた「顧客目線」を大切にし、社員が働きやすい環境づくりに貢献しています。
エンジニアから管理部長へ(42歳・男性)
システムエンジニアとして15年のキャリアを積んだ後、社内の業務効率化プロジェクトをきっかけに総務・管理部門に興味を持ちました。転職活動では、「システム導入による業務効率化の実績」や「論理的思考力」をアピールしました。技術職からの転身は珍しいと思われがちですが、むしろIT知識を持つ総務担当者は重宝されます。現在はベンチャー企業の管理部長として、総務・人事・経理を統括しています。エンジニア時代の経験を活かし、社内システムの刷新や業務フローの最適化に取り組んでいます。異業種からの転身を考えている方は、自分の専門性を総務でどう活かせるかを具体的に考えることが大切です。
成功事例から学ぶポイント
- 前職の経験を総務の文脈で捉え直す:一見関係ないように思える経験も、総務の視点で言い換えることで強みになります。
- 専門性を活かす:前職で培った専門知識やスキルを総務業務にどう活かせるかを具体的に考えましょう。
- 転職理由を明確に:なぜ総務職を選んだのか、その仕事にどんな価値を見出しているのかを明確に説明できることが重要です。
- 柔軟性をアピール:異業種からの転身では、新しい環境や業務に適応する柔軟性が評価されます。
- 自己学習の姿勢:不足しているスキルや知識を補うための努力や学習姿勢をアピールしましょう。
今後の展望とAI導入による影響予測
総務職の将来像は、テクノロジーの進化や働き方の変化によって大きく変わりつつあります。特にAI技術の発展は、総務業務に革命的な変化をもたらす可能性があります。

AIと共に進化する総務業務の未来像
AI導入による業務変革
自動化される業務
- 定型的な文書作成:議事録や社内通知などの文書作成がAIによって自動化
- データ入力・処理:経費精算や勤怠管理などのデータ処理業務
- スケジュール調整:AIアシスタントによる会議調整や予約管理
- 一次対応:チャットボットによる問い合わせ対応や情報提供
人間の役割が重要になる業務
- 戦略的判断:業務改善や組織変革の企画立案
- クリエイティブな問題解決:前例のない課題への対応
- 人間関係の構築・調整:部署間の調整や対外交渉
- 感情を伴うコミュニケーション:社員のメンタルケアや危機対応
総務職に求められる新たなスキル
AI時代の総務職には、従来の業務スキルに加えて、新たな能力が求められるようになります。
デジタルリテラシー
AIツールやデジタルプラットフォームを理解し、活用する能力がますます重要になります。特にデータ分析やシステム導入の知識は、総務職の価値を高める要素となるでしょう。
変革マネジメント
テクノロジーの導入に伴う組織変革をスムーズに進める能力が求められます。社内の抵抗感を減らし、新しいワークフローを定着させるスキルが重要です。
戦略的思考
単なる業務遂行ではなく、組織全体の効率化や価値創造に貢献する戦略的な視点が求められます。経営層と連携し、総務の視点から経営課題の解決に貢献する能力が重要です。
今後の総務職のキャリアパス
AI時代の到来により、総務職のキャリアパスも多様化していくことが予想されます。
- デジタル総務スペシャリスト:AIやデジタルツールを活用した業務改革を主導する専門家
- 従業員エクスペリエンス(EX)マネージャー:社員の働きやすさや満足度向上を専門とする役割
- ワークプレイスストラテジスト:オフィス環境や働き方改革を戦略的に推進する役割
- コンプライアンス・ガバナンスオフィサー:法令遵守や企業統治を専門とする役割
- クロスファンクショナルマネージャー:総務・人事・経理などの管理部門を横断的に統括する役割
AIの導入によって総務職の一部業務は自動化されますが、それは総務職の価値が低下することを意味するものではありません。むしろ、定型業務から解放されることで、より戦略的で創造的な業務に注力できるようになり、総務職の役割はさらに重要になっていくでしょう。
総務職の未来に向けた準備
- AIやデジタルツールに関する知識・スキルを積極的に習得する
- 業務の効率化や改善提案など、付加価値を生み出す能力を磨く
- 専門分野(法務、労務、リスク管理など)での知識を深める
- 変化に柔軟に対応できるマインドセットを持つ
まとめ – 総務職への転職を成功させるために
総務職は企業運営の要として、その重要性がますます高まっています。デジタル化やAI導入が進む中でも、組織全体を支え、人と人をつなぐ総務の役割は不可欠です。

総務職への転職を成功させるためには、市場動向を把握し、自分のスキルや経験を適切にアピールすることが重要です。未経験からの挑戦であれば、関連するスキルの習得や資格取得に取り組み、転職エージェントを活用して効率的に求人情報を収集しましょう。経験者であれば、専門性を深めるとともに、変化する総務の役割に対応できるよう、デジタルスキルの向上や戦略的思考力の強化に努めることが大切です。
総務職は単なる事務処理の役割ではなく、企業の成長と社員の働きやすさを両立させる重要な存在です。その価値を理解し、自分自身の強みを活かした転職活動を展開することで、やりがいのある総務職キャリアを築くことができるでしょう。
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